27.風流空手 風流曼荼羅 に 実技・識別
2019/03/21 公開
2019/06/28 差替
主として、形(形・基本組手)の技法展開。
“一芸に秀でた者は多芸に通じ多芸は無芸に近し”等と言ふ考へも在る。
内容の、解釈は自由だが何れかと言うと、一芸に専念する方を薦める巾としたい。
一芸を極めるには、無関係共思へる他の多くを観又触れる事と為り、広範な知性を要する。此が、多様な事態に対応出来る能力と為り、空手術に於ても形等の遣い方の原点と為る。
併し、他に多くを個々に分断し求めても、全てが型丈の中途半端な処と為り、何れにも対応出来ぬ事態を生ずる。
事物の、解釈は多様で多くを探し求めて稽古をさせて貰うか、見掛けを探し求めて練習すると言ふ、意識の違いが在るかも知れ無い。
空手術の、稽古にしても一事専念は求めたいが、其の一事が何処迄かと為ると一概には決め兼ねる。又、他の全て否定する頑なさは、負にも繋がり兼無い。
生存自体、総てが格技で在り学習・研鑽の範疇と認識し、後は自身の思考と用法の選択と為る。
少し逸れるが、他編で記した如く囲碁・将棋を兆京を超える多機能素子の加算機で勝つ手を見出し、結果として他力に抗らはさせ楽しむと為るのか、拙いと思いつゝも自身の思考過程を、遊びとして楽しむ遊戯の世界を創出し生きるか、其の選択とも為る。
謂はば、傍観者と為るか実技者と為るかの選択で在る。唯、此が実は無意識の中で、常に入換り変容する。
多くに、不確定性を持つ処に遊びが在り、楽しみを得る処に又、誤謬の可能性が紛れ込む。
結果良ければ全て良しと、簡潔に手段を選ばぬ手法を駆使し結果を束の間楽しむか、己自身の思考過程をじっくりと遊ぶ楽しみを噛締めるのか、何れも自身の選択で在らう。
扨、和道空手としては、基礎体力・基本・形・基本組手・自由組手等と繋がり、居捕・短刀捕・太刀捕・護身術等が考へられるが、何処迄又何れを日常の稽古とするかは、個人の裁量で在る。
又、空手術に、用具が何処迄必要かも、選択の余地は多様で在る。
空手術自体を、素面素小手で徒手空拳の格技とするか、安全完備の鎧兜で総身固て臨む競技とするのかも、選択肢と為る。
日常の、稽古とすると見世物様の、得物や多彩な技法は不用なのかも知れぬ。
格技の、原点を観ると日常の生き様で在る。
改めて、空手術に一つの基点を立位二足歩行を採ると、順歩行の日常所作と卷藁突き日常鍛錬は必須としたい。
其の上で、基本・形・基本組手程度の錬磨で、凡その要は足りる。
此は、他との稽古等に即応する為でも在る。
日常的には、素面素小手で道衣丈が“場”の“礼”に叶った処で在ろう。
唯、平均的に稽古をする程度と考へるにしても、其の内容は難しい。
最終的に、素手の自由組手を考へるとしても、個々人に拠り内容自体に異同は多様。
最低限、安全具の用法等よを如何に用い様と自由で在るが、安易に用いる間違へて本末顛倒せぬ気配りの位の、知性は必須で在る。
師は、寒風・氷点下の中でも当然の如く、素面素小手に道衣一枚は当然とされた居られた。
処で、技法の内容自体を、生命体様の次世代に伝承する意図をも含めると、在る程度内容形態に変化も在り得るが、多様性を培った広範な中から厳選する巾と為る。
又、生命体の遺伝様に、同種丈での増殖・伝承では無く、異種交配と言ふか狭義の格技丈では無く、広義の内容存続と判断しての選択は、必須で在る。
多様な、遺伝子を秘し乍も厳選抽出した、技法の錬磨を求めたい。
此処に、稽古の実が在り其が無ければ、消滅の未来が近い。
格技を、競技と改称し、内容を娯楽にと自由度を狭めた技法に本来の意味は無く、流行りのお笑い芸人的な、観衆集めの意味しか無い。
生存の、経験・学習・知恵が格技なので在り、其処に人間としての知性が、礼なので在らう。
唯、格技に於て、強弱・勝負の結果丈を求め、賞を並べる意味が如何程の物か、真を探りたい。
格技の稽古で、其処に在る真に求める事は何かを探り、狭義の温故知新も広義の温故知新も、大切にして意味を持つ。
只、不易流行は当然としても、現今の世相を観るに動もすると、日本語に未熟な数多が勝手な解釈に因り、語の意を平然と変質される虞も在る。
此は、他国語に関してもと言ふより、当然の如く得意気に意も解らず勝手に解釈し使うのは、成行きとして近未來には、己の国を破棄する処で在らう。
家も墓も、次は国を自ずから棄てる処と為る。
国境を無くし、地球上が全て等質と為る意味は無く、死の世界で在らう。
此処は、数多に多大な誤解を招く処を、覚悟の上で在る。(論は膨大と為る)
扨、改めて、此処に和道空手の核として、形(形・基本組手)を挙げる。
特に、形を主として基本組手との渾然一体を、必須と観る。
端的に、師が富名腰羲珍先生の空手とは異なる意を、和道空手として創始されたと観る。
其の、象徴として空手術の稽古を象徴するに、“型”では無く“形”とした処とする。
☆☆形(形・基本組手)
師は、一般的な形として、九種。基本組手として、十本を提示された。
和道空手の、原典として此の両者を合わせて、象徴的に“形”と考へたい。
此等は、総て高難度で在り、極められた師の思いで在らう。
和道空手としては、当然出来得る範囲に近付き、遵守する処と思い其の意図・内容を、正確に解析・理解して遣ひたい。
総じて、基本的な形から難解な形迄在るとするが、本質的に難易は無く全て同等と観る。
敢へて、形態を順次並べれば、ピンアン五種・クーシャンクー・ナイハンチ・セイシャン・チントウ迄の九種で、各々多様な特徴を持つ。
又、基本組手に十本として、特異的に投技を含む五本目(小手返)・十本目(浮落)が、希少な柔術観を表す操作として力に頼らぬ技法が、至難で在る。
恐らく、此を熟せる弟子が何人居られる事かは判らぬが、此処は責めて型丈でも伝承したい。
何れも、一連の内容に難易の差異は無く、此の九種十本を一つの形と観て遣う事を勧める。
対象が居れば、基本組手十本も稽古を能く積み、型では無く当然“形”としての錬磨が望ましい事は、自明で在る。
唯、他編で記したが、師は空手術を謳うに、和道空手の本質が柔術から来た処を、意識・無意識に関わらず秘された観は在る。此処が、空手としての独立した処で在らう。
只、師の和道空手としての原点は、柔術に在る事実は拭うべくも無い。
又、形の所作は、順歩行に在る事を付記する。
扨、改めて技法伝承の難点は、全て個々人の特異性に在り、内容の意識と形態は千差万別で在る事も認識する要が在る。
又、少しでも、格技としての理想に近付けるには、稽古の基点として形(形・基本組手)が対人の内容として考へる事は、当然の仕義で在らう。
此の、自と他を複合させた難度の高さに関しては、多彩さと単純さが交錯し別途詳解する要を感じる。
形・基本組手は、同時・同等に稽古・錬磨は必須で在るが、如何せん体術の稽古は単独が多く、基本組手は対人が主で在るので、其の葛藤を乗切る要が在る。
形の、内容と共通点からの解析を意図し、型の基本形態は周知としての解析とする。
又、和道空手として、師の意とせぬ部分は省く方向性の堅持は在る。
☆☆形
☆形のみ為らず、此処に於ては前述の如く、立位の順歩行が原点と為るので、其を再三の如く確認する。
正立位は、直立で両足の踵を要とし両内足弓を適宜に開く、前方を茫視し全身の不要な力味を抜く、技法の本質は自在な所作で、順歩行を原点と観る。
其処で、隻足立位を基本に意識し、下肢の支軸足と浮遊足の瞬時交換は必須とする。
其処で、歩行の確認を為し、順歩行と逆歩行に区分する。
順歩行は、同側上下肢を同方向に遣ふ。
逆歩行は、同側上下肢を対方向に遣ふ。
何れにせよ、歩行は体躯の転移が目的で、脚の移動が目的では無い。
表現とし、師は常に足で歩かず躰で歩きなさいと、指導された。
此処に、歩行の本質が在る。
以下に、歩行の概略を解析した試みの、結果を記す。
☆歩行
風流空手として、歩行を順歩行と逆歩行に区分する。
順歩行は、同側の上下肢を同方向に遣ふ。
逆歩行は、対側の上下肢を対方向に遣ふ。
何れにせよ、足底は床面と不即不離、隻足は支軸足とし他足は浮遊足とし遣ふ。
順歩行は、至近距離謂はゞ所作の範囲内が主で、具体的な格技の所作として遣ふ、結界の範囲とでも称する。
逆歩行は、転移の目的が主で、自他の直接関はらぬ距離と為る。
和道空手に於て、此の順歩行が技法の原点で、其の総て共言ふ巾と考へられる。
形を遣ふと言ふより、和道空手は自在な順歩行に拠る所作に在り、心技の原点とも言へる。
特異な歩行に、千鳥に歩く運足が在る。一般的に、千鳥歩きとする。
軸転又は横進時、支軸足に対し、十字の線を取り浮遊足が縱線を対側に越へて運ぶと考へ、点対象又は線対象に運ぶ。
師は、正面に対し真横の一直線への運足を、千鳥に歩くと言はれて居る。
☆形の起始終止
形の、発起と収束は同形として在るので、各形の冒頭に概略の流れを一括とする。
・起始
起/正立位(所定位置での立位・気を付けの姿勢で全く気張らぬ立位)
始/用意(形其々最初の立位姿勢)
・終止
止/止め(形其々の立位)
終/直れ(正立位)
特に、用意・直れに関して、流祖の重視した当然の格技観が在り、多くの所作に其の原点は、無意識の順歩行に在る。
☆☆ピンアン初段
基本的に、真身・真半身と順歩行・軸転の正確な深度に意を注ぎ、特に静動の柔軟な基盤の上に立つ日常的な所作に、和道空手の原点が在る。
形のみ為らず、全ての所作は束で先に入り備への意識が、三位一体で同期し技法を多様で有効に遣へる原点と為り、礼にも叶う対応に繋がる。
☆起始終止
起始
・0起/正立位とし直立前方茫視し両踵接し爪先開き両手指を揃へ伸し力む事不可
・0始/用意は自然体とし正立位から左右と足を適度に開き両手を正拳とし特に全身筋腱の固化は不可
終止
・0止/止めは形最終挙動より用意の正拳とし左右と自然体に戻る
・0直/正立位
両拳を両手指揃へ伸ばす
・01(・04)/真半身猫足立/上段外払受(前腕橈側)/(額前備)
・02(・05)/真半身猫足立/上段引込受流(前腕尺側から正中に軸転・拳先を残す意識)/中段正中打落/(軸転真身猫足立/正中中段打落も可/正中上段引込流)/(引込流受か打落かで真半身か真身の何れも可と考へられる)・(此処で特に両腕を同時に遣う意は無し・両腕同時別途に遣ふ意は多くに在る)
・03(・06)/上段拳鎚打又は打払(・中段拳鎚打払と変化出来る)
・07/左足を瞬時に重心軸に転移/同時に右軸転真半身下段流払後/即上段外払(前腕橈側)/同時に右足中段横蹴/・08に繋がる右腕上段外払右足蹴を左軸足の踵に右足踵で打出し軸足交換(此処に和道の速さが遣へる重心不変の軸転足交換が束に通じる)(打出された浮遊の左足で重心位置は前方移動が可)
・08/・07の軸転横蹴足を振子様に落し支軸足を左右交換と同時に真半身猫足立に交換(浮遊足と軸転足の交換は右左の運動量交換と為り振子様に右足踵で左足踵を打出す感覚)/即半足歩程度以上の併進可能な真半身上段手刀払受(和道空手で手刀払受流は上段のみと考へる)(手刀払受は前腕鉛直に手刀背手背腕)(後前腕尺側を遣う/尺側から正中側に軸転後正中から橈側迄軸転し掌面を遣ふ形に捕る)(歩行は足底不即不離)(和道独特の入込速度と捕りに繋がる)(往々軸転足を後方に戻す動作を観るが和道空手に於て後退は無いと観る(特殊は除く))
・09/猫足立軸転手刀受(・10)
・11/貫手順突
・12/軸転手刀受
(・13)(・14)(・15)
・16/軸転と共に逆突立で前腕落下様に対象の上に正中を委ねる意識で重力に任せ往し殺し切った処から正中から橈側に軸転上段外受に転じる(此処に力では無い流れに載せた往しが生ずる)(・07/往の起りに類似)(・07蹴・16受・17蹴共に重心浮上不可)
・17/前蹴後逆突に流れる
・18/逆足上段橈側外受(躰軸転外側に外す)(・19)
・20/順歩諸手♂外受橈側(諸手外受とは備へと観る)
・21/軸転下段払流(・23/下段払)
特に全身で併進・軸転・施術の転位・転体・転技の三位一体を観る、仕事量を前腕に預け対象に放出する意識が肝要(・7〜・8の運動量(仕事)交換と同様此処に、併進・軸転の慣性能率を緩やかに変化させ、払いの高速化に繋げる原点が在る。(棒を振回す感覚は不可とし鞭で打止める感覚が肝要)(理論詳細は別途)
・22/上段流受(・24)軸転時上腕二肢共所作の意識を残しつゝ自然の下垂状態で脱力様に軸転完了と前腕下垂又は所要位置が同時に決まり、次の所作に繋げる。
全身で併進上段流受の感覚で対象に力を感じさせぬ(対象に接した瞬間から避けず押さず弾かずで対応をすると抑への多様な技法から軸転・極・引落等三位一体で変幻し施術に移る)
・23/右下段払
・24/左上段受
・0止/止め(用意に戻る)右支軸足で斜後方順歩併進(後進様)・軸転し乍左浮遊足で上段受から用意の立位自然体に同期し戻る)(歩行其物で軸転足は振れずに全体重を支へ備の意を配り浮遊足を等速度で長時間掛所定位置に戻れる様)(形以前の順歩が必須で転移の総て共言へる)
・0終/直れ(左右と足を正立位に戻す)
全ての所作に、転位・転体・転技の三位一体は必須で、特に正立・用意・止め・直れの際、意識と所作に残心・備へは同期させた、礼の心が原点に在る。
☆☆ピンアン弐段
番順では、弐で在るが、最初に習うに好ましい最も基本的な形と考へられる。形に、難易差は無いが、基本操作が多く大切。特に、下段払が理解し易い例として、併進・軸転・手技を転位・転体・転技とし三位一体に同期させて遣ふ。此の時、仕事量(体躯の遣い方に拠る加速度変化(運動量・仕事量)に伴う速度・仕事量の遣い方の変化を無駄にしない事が重要)(併進・軸転と内力・外力等に拠る識別は肝要(別途記す))
又、改めて記すと、数多の指導は経験の少ない者に未経験者の指導をさせる傾向に在るが、多くに此は取返し難い過誤で、経験の浅い人達への指導は最も深く内容を熟知した経験者の指導が、義務に近く大切で在る。
最も基本的な所作の、正確な習熟は理論的に難解だが、併進と軸転に力の能率と慣性能率の変化に拠る仕事交換に、無駄を無くす事が必須。(詳細別途)
・0起/正立位
・0始/用意(自然体で両手正拳)
・01/真半身猫足立拳鎚打落(前腕尺側部を水平に打落し極める処を確実にし、力の能率を最大で留める)
・02/左方軸転順突(三位一体は順歩行に次ぐ基礎)
・03/左支軸足後方軸転下段払(順歩に次ぐ基礎の後方軸転で併進・軸転・打払いは、転位・転体・転技を三位一体の基礎で併進・軸転時の慣性能率を円滑に変化させ乍速度変化に繋げるとし前腕を剛直に使うと円滑に為らず鞭状の遣いを対象に正対する場で打留め極める)(剛直に遣うは師の最も忌む処)(難事と思へるが軸転時に慣性能率を変化させる意味が在る)
・04/真っ向上段より中段正中線上を、拳鎚で前腕を水平に極める。(跳揚られ無い流突の原形と為る)
・05/順突
・06/左下段払
・07/右上段受(受流意識)(弾受は後の操作で自由度が減るが受流すと其後処理は多彩)
・08/
・09/
・10/左軸転下段払(・12)
・11/右順突き(・13)
・12/右順突
・13/左順突
・14/左下段払
・15/右順突
・16/左順突
・17/右順突
・18/左浮遊足とし右支軸足で左軸転(八分五軸転)し乍左半身(真身可)猫足立で軸転で留まり後右軸転四股立迄左手刀にて下段突、中段貫手備
左半身半身四股立下段平貫手構へ(半身で可とするが順突きの状態が雑に為らぬ様)・(真半身で順突の捻りが対象を弾き流す意識)
・19/真半身四股立で左支軸足とし右浮遊で半軸転半身(真身可)猫足立右軸転後右貫手、中段貫手備
・20/左支軸足で後方に右軸転半身(真身可)右猫足立より四分一左軸転四股立貫手(躰浮上不可)
・21/四股立より右足支軸足右半軸転四股立(♂)左貫手(♀)右貫手備(・21/貫手突弾き)
・0止/止め(左貫手四股立より右足支軸足とし左浮遊を左転(八分三軸転)(左浮遊足を斜に一歩引く形)用意の自然体に戻る)
・0止/直れ(左右と足を納め立位に戻る)
特に備へを意識し乍四股立から用意の自然体に戻る過程は大切
右足軸転(八分三)で左足浮遊を順歩に引き自然体に戻る。此は、歩行の原点で浮遊足底が不即不離で多様に遣う基本と為る。此の軸転足は、隻足で四股立から正立迄堪へられぬと総ての形で支障を来す。
多様な形の中で、此の軸転足・浮遊足に耐へ難いと形の中、延いては和道空手として遣へぬ処と為る。
多くに、転位・転体・転技が三位一体として同期せず、多様な技法を遣ふ事が出来ぬ事と為る。
特に、此の所作一連の全てが、無意味と為る。重心軸点で、耐へられず浮遊足を停め停まって終う等に、稽古の中身を観る。
☆☆ピンアン参段
近間での操作が多く当身技の感覚と捌が多用され有効で柔術的な所作を持(接近時に打・弾と接触後の連用性可)
豪快性の、観へ難い処で在るが密着系で有効。
・0起/正立位
・0始/用意
・01/左軸転(四分一)左真身猫足立左上段受払(橈側)右引手
・02/軸遊交換右足引付閉足正立位(正立位可)左下段(尺側)右上段(橈側)同時外方打払
此処にも、軸転と併進其の方向性の変換に難関は在るが慣れると有効。
(・02/左右反対)
・03/左上段(橈側)右下段(尺側)左右反対)
・04/左支軸足右浮遊足軸転(半軸転)右真身猫足立
・05/右支軸足とし左軸転(四分一)浮遊軸転軸転左右上左右下段外受流
・06/左右反対)
・07/右支軸足とし左軸転(四分一)左真身猫足立正面正立左上段受払(橈側)右引手
・08/右順突縦貫手
・09/躰半軸転貫手抜に残す(右腕貫手を捕られた型で右手引抜に入る)
右腕を預け右支軸足で上体を前方に倒し乍左転(右腕は残した呈で四分一軸転)
・10/躰を寄せ乍躰を軸転(四分一)し四股立で左拳中段打ち同時に右腕を引抜く
・11/躰をを前進右順突
・12/右支軸足を軸転正立位(閉足不可)両肘構(両拳を腰に添へ肘を前腕部が胸部と平面に為る様構へる)(拳は浮かせても構はぬが胸部前面は前腕面より必ず後部(陰とする))
・13/前進半軸転拳鎚打込即引込み構
(・14/軸転)(・15/打放し)
・16/左順突
・17/軸転寄足自護躰左拳肩越し右突き
・18/軸転寄足自護躰左拳肩越し突き)
・0止/止め(上躰捻戻右足引き自然躰)
・0終/直れ
☆☆ピンアン四段
甲・掌を含め、小手の扱い開手拳と手指の用法に注意。
小手の扱いは大切で在るが、此れ許りを知るには多くの時間を費やす、日常的に個々での研究が有効。先ずは、対象に触れる感覚に慣れる。
・0起/正立位
・0始/用意(自然体で両拳を握る)
・01/左真半身猫足立、左手刀上段甲面払(掌前面)右手刀掌面前方額前備(前方を塞がず斜めも可)躰駆の重心軸は不変(又は左方寄り可)
・02/右方真半身寄足軸不変(又は入込意識)払受)(ピンアン初段を手刀で遣ふ)
・03/右構下段諸手突き(同時突の意は無く各隻手尺側で受流す意図)
・04/右順猫足上段諸手受け(左拳は備へ)
・05/正立閉足側方中段備え
・06/中段払い横蹴り
・07/蹴足降し右逆猿肘当
・08/左足軸転右足引付足正立右方備へ(開閉不問)
・09/右中段外払い同時に前蹴
・10/逆左肘当
・11/軸転正面逆突き様に接触打払掴み(多用途)
・12(12)/隻立前蹴り後跳込追打(上段より打込)左腕は中段突きを前腕で打落す
顔面裏打ち
・13/右足軸転左猫足左上段払受(・14/右足前蹴り逆突き足で順逆二度突き)(16)
・15/軸転右足猫足上段払受(・16/左足蹴り左右突き)
・17/左猫足左上段払受
・(17)(・18/・19)
・20/左腕も受け(両上段の受け)
・21/両手で引付け、顔面膝蹴り
・22/軸転真半身猫足左上段横払受け右中段打落受け(多様な小手遣いに繋がる)掌底を上段払受け中段落し受けと上下に小手の扱いに遣う
・23/下肢は右方諸手掛受け
右上段左中段
・0止/止め(左足後方引付右足も引足)
・0終/直れ
☆☆ピンアン五段
他も勿論だが、特に大技で体躯全体を大きく遣い体を入込み又連続した操作での体捌きが在る。
大きな体捌きは、歩行に原点が在るので支軸足の軸転を、自在に遣ひたい。
特に、隻立上下動を急かず、滑らかに安定した流れを求める。
・0起/正立
・0始/用意
・01/左軸転左真身猫足立左上段外払受(左橈側・引手)
・02/左真身猫足右逆突(01〜02連繋)
・03/右軸転右視正立中段備(躰より離すと若干高目備)(浮遊足を支軸足とし右軸転)(左鍵備引手、右引手鍵備)
・04/右軸転正視右真身右猫足立右上段払受(橈側)
・05/真身猫足立、左中段逆突き(04〜05)
・06/正立位正視右鍵備
・07/右半身猫足立(上段外受(橈側))(左胸前備)
・08/左順足前進諸手下段受(左下右上)(受は別々の所作)
・09/諸手手刀上段受(左前右後)(受は別々の所作)
・10/諸手中段手刀打落し(左上掌右下背)(左掌の第一指は他と揃下に出さぬ)(右背は第一指を掌面に隠す)
・11/左拳順突き(08〜11左腕)(08〜12右腕11除)
・12/右拳順突(08〜12除く11)
・13/躰左軸転順突立から反転四股立で下段払をする(躰の立位置の向きは逆反転(視点は正面から裏面と為る))
・14/自護躰中段打払
(右脚を支軸足とし立上り様打払う)
・15/順突で猿肘当き
・16/右足を支軸足とし左足を軸足に猫足で引付る(軸足の裏や密着又は離ぬ猫足)
・17/其の儘右支軸足に全て委ね躰を裏に向け真半身に軸転右拳は捻らず其の儘裏拳として伸ばす上体は軸転し乍後方を斜に往なし左拳も捻らず胸前に備へる左浮遊足先は内に入れず外に開かずの意識
・18/支軸足を払いに来る想定で其の場で半軸転し乍跳躍し両爪先で着地すると同時諸手下段受(右上左下を個別に遣う意識で同時にする)
下肢の相当な筋力と平衡感覚を要するので無理せず併し日常的に鍛錬をしたい無理な姿勢の鍛錬と卷藁の鍛錬は難事で在るが非常に有効なので徐々に長い時間を掛けた稽古を勧める。
・19/右足を進め順突立で上段払受(橈側)
・20/後方上段を軸転流す
・21/正立位の両上肢から躰を反転し反らし攻めを流す
・0止/止め(左支軸足右浮遊足で斜に流した態勢から腰を軸転右下肢を巻付ける感覚で止めの位置迄戻す状態で順歩行として浮遊足を静止位置迄戻すが出来る丈緩慢にし揺がず戻せるのが稽古に適する)
・0終/直れ(正立位)
☆以上ピンアン五種とし以下他は続とする