11.風流空手 由縁と所作 (形の要領)
2010/06/09 公開
「形」を軸に、その所作の要領から、風流空手の技法を考えます。
多くは、形の挙動目的を固定して考えられている感がありますが、用法はより広い範囲で考えるべきで、一般的に目的と考えられている挙動の、前後の所作も含めたい。
先ずは、「風流空手に後手は無し」です。師からは、常に「先」を取りなさい! と教えられていました。先の先、まあ後の先でも先であれば良いのでしょうが、本来は先々の先が宜しい。
吾等が教示され、稽古をしている空手の伝承・流布するべき、基本的な所作の形態は、基本・形・基本組手と、何れも「先」が基になる構成です。
然し、後を取る事も有得るので、その備えの体得も必要。これに関しては、基本組手を解析すると解り易いと思うので、その解説部分で確認します。
先ず、何れの先でも、先を取る基本は「無拍子の起り」。一拍子でも無く、増てや二拍子では有得ない。「無拍子」の「起り」を基に、備えから始まり基本の素突・素蹴。そして、基本・形・基本組手と、種々の技法が伝承されています。
以上を踏まえ、書き連ねます。
- 形は片足、軸は鉛直。足裏床面、不即不離。
足捌きは束、音はせず。転位転体転技一体。
- 起りは無拍子、滞り無く。所作の前後も、如何に使うか。
間合先後は、千変万化。応じる技も、変幻自在。
形の挙動は、極めて残心。扠その後は、何を如何する?
- 目付は芒と、顔の向き。肘と膝の、備え忘れず。
手足の行方は、目先で追わず。鏡も見ずに、意識で探る。
- 何は共あれ、技法の習得。体感・体得・体現の順。
若干の補足。
- 力は誰でも、何時でも入れられ。これを抜くのは、困難至極。
- 習う過程は、楷行草。習うは直交、遣うに平行。
楷書で覚えて、草書で遣う。
- 掴まれはしても、掴みはしない。これで施す、吾が流技。
手足は、鞭か紐の扱い。相手の何処でも、絡んで殺す。
- 逆は内向き、骨への疼痛。筋腱伸ばして、技極める。
投げの基本は、浮落し。潰しの基本は、軸足殺す。投げは往し、潰しは捌き。
- 形は片足、日常の所作。軸は鉛直、目付は芒。
拍子を消して、束の運足。身体で動き、三位一体。
- 接した処で、技を極め。所作の後先、如何遣う。
- 鏡は見ずに、極先見ない。動きは流れて、緩やかに。滞り無く、風の流れで!
余計な事。
- 現代社会の過誤の因は、軽重・本末識別出来ず、瑣末な事での大騒ぎから。
本質を見失った、顛倒状態は是非共避けたい。
- 自然に逆らう狂った社会を、否定しつゝも受入れる。これも、風流空手の由縁。
- 命を委ねるこの風土、東の智恵を切捨てず、西の文化も融合させて、洋の東西調和の世界を!
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