6.風流空手 打込み稽古 要領

2008/08/21 公開


両者を攻手・受手とし、基本的な突き等の技法に関して「三位一体・束・極」を理解し、避る・払う等の意識を払拭、常に体軸を崩さぬ様な姿勢で、受手と言えども転位と攻手の感覚は、常に維持している事が前提。基本は相構えで、当然の事ながら、左右均等若しくは利側は若干少な目も可(異論もある)。

攻手の起こりは、デンデン太鼓で誘導弾を発進させ、衝撃波を打込む。

受手の対応は、縄暖簾に接触させて絡捕り、其の儘攻手に返す感覚を維持する。
 

  1. 攻手は、受手の拳を潰す感覚で突く。
    受手は、拳に力を入れずに、攻手の拳を其の儘意識しながら、攻手からの攻撃部位まで拳を運ばせる。
     
  2. 攻手が、受手の拳を潰しながら突くのに対し、
    受手は、突返す意識を持ちながら、見えない程度に拳の方向への転位(後方)をし、自拳が潰されない様に生きた拳の状態で攻手の意識を観る。
     
  3. 攻手が、転位しながら受手の拳を潰し突いてくるのを、
    受手は、拳が接触する寸前に攻手の拳を見えない程度目標に向かい転位(前方)しながら、逆に攻手の拳を潰す要領で突く。
     
蛇足:
以上、組手競技にも大いに活用できる内容と考えているが、空手とは何かの理解の無い空手道競技の判定者が居ないとは限らないので、競技で用いる時はこれに格技とは関係の無い、と言うよりは有害な動作を付け加える事も有得る。

即ち、判定者に見える程度の上肢の行程の長さ・遅さと、大袈裟な引戻し動作。彼等は距離が近いと見えないし、知らない技は勿論無視、又は効かないと思込んでいる技は採る訳が無い。恐らく前記と共通の理由と考えられるが、突きに引戻しが無いと出した技が見切れない(還る姿を見れば行かなくとも往ったことと推測する資料とする)。

逆に、寸止まりで当たっても、酷い時には届く筈が無い状態でも、引戻しがあれば往った証拠と見て採ることも有得る。別な理由として、相当の高段者でも誤った観念的な伝承の為か、夫婦手の引きや返しの意味を知らず、引きとは突手の引戻しと勘違いをし、全く無意味以前の動作を、必須と思込んでいる可能性が多いにあるので、要注意!
 

 

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