3.風流空手 技法稽古 要点

2008/07/21 公開


  1. 形では、基本的に重心線と身体軸の一致を心掛け、両者にずれの無い様にする。
    線と軸のずれは、身体運動の自由度が激減、変位時の安定性と円滑さが失われ易い。
     
  2. 主に形に関して、全ての動作の状態は自身の感覚・意識で正常か否かを判断する。
    基本的には目で手足を追ったり、鏡での確認はしない様心掛け、自身の手足が如何なる状態に在るかは、見ずに確認できる感覚を養う。
     
  3. 前足首の前屈、手首の内屈は微少でも避ける事。
    その難点は多々あるが、力学的弱点に自ら陥る様相を呈していることが問題で、突きの制御がなされていない場合が多い。
    前下肢の働きを意識し、上肢の使い方も多分に研究の余地はある。膝周辺と足迄、肘周辺と手迄の、用法の研究は重要。
     
  4. 空手では、投も技の一つとして考えられる。
    これに準ずる(i)潰し、(ii)引落とし等の技法も必要と考えたい。又、腱・関節に対する(iii)逆技も習得したい。

    これ等は和道空手に存在しないと断定せずに、可能性を含む技法と考えたい。
    師からは、投げる暇があったら突きなさい!と教えられました。然し、ご自身の技法の原点が、余りにも日常の有触れた所作の中なので意識には無い儘、その上に成立っている和道空手をご指導なされていたと考えられます。

    師は掴まれる事より掴む事を嫌われていた観があり、形に於てもその対応は明らか、投技にも基本的には掴まずに対応されていました。真に和道空手を伝承する為には、師の原点を取出さない限り異なるものに変化して終い、不毛かも知れない。
     
    1. 潰しは、軸足の動きを固定させる方向への作用が有効。
    2. 引落としは、身体軸の歪を増幅させる方向で、鉛直下方への仕事。
    3. 逆は、腱を引伸ばす仕事であるが、(イ)力に抗して関節を伸し、屈筋腱を引伸す向に拉ぐ手法と、逆に(ロ)曲易い方向に、伸筋腱を引伸す方向へ、極る手法がある。腕力の弱いものにとっては後者(ロ)の方が、解剖・力学的に有利でしょう。
     
    何れの場合も、狭い部位に局所圧を与え、相手に瞬時でも激痛を与えると有効。
    何れにせよ、自身は常に仕事をする方向に身体毎相手より先行しなければならない。
    即ち、転位・転体・転技の三位一体が要点。
     
  5. 各種の技を施す上で、相手の体・技を殺す事は重要で、その基本は柔く纏着く事で、力任せに抑付ける所謂固定は、自身も固定せざるを得ないので不都合。
    対象に触れている程度の感覚が、求められる。
     

 

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